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​本研究室の研究概要​

 本研究室では,運動や環境ストレスに対する生体の応答・適応に着目し,その生理学的メカニズムの解明とスポーツおよび健康への応用を目指した研究を行っています.現在,「低酸素環境を利用したトレーニング」と「粘膜免疫に着目したコンディショニング」を2つの柱として,ヒトを対象とした応用研究から動物モデルを用いた基礎研究まで幅広く取り組んでいます.低酸素,暑熱,運動などのさまざまな刺激に対する身体の適応を明らかにし,得られた知見をスポーツパフォーマンスの向上やアスリートのコンディショニング,さらには人々の健康維持・増進に活用することを目指しています.

l 低酸素環境を利用したトレーニングに関する研究

 本研究室では,低酸素環境を利用したトレーニング(低酸素トレーニング)の効果と,その背景にある生理学的メカニズムの解明を目的とした研究を行っています.これまで主にヒトを対象として,低酸素トレーニングが運動パフォーマンスやエネルギー代謝に及ぼす影響について検討してきました.近年では,運動や低酸素刺激に対する生体応答を担う分子に着目し,特に,エネルギー代謝やインスリン感受性の調節に関与するサイトカインなどの生理活性因子について研究を進めています.これまでに,運動によって血中濃度が変化する複数の因子を明らかにするとともに,現在は,これらの因子が低酸素刺激や運動によってどのように調節され,代謝機能に影響を及ぼすのかを明らかにするため,動物(マウス)モデルを用いた基礎研究を進めています.さらに,低酸素環境がサイトカイン応答や骨格筋・肝臓などの臓器間相互作用に及ぼす影響についても検討しています.これらの研究を通じて,低酸素環境に対する生体適応のメカニズムを明らかにするとともに,その知見をスポーツパフォーマンスの向上や肥満・糖尿病などの代謝性疾患の予防・改善につなげることを目指しています.

写真1.HEIC
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低酸素発生装置や低酸素チャンバーを用いたトレーニング研究

​l 粘膜免疫に着目したコンディショニングに関する研究

 本研究室では,運動や環境ストレスに対する粘膜免疫応答に着目し,アスリートのコンディショニングおよび健康管理に関わる生理学的メカニズムの解明を目的とした研究を行っています.特に,唾液中に含まれる分泌型IgA(SIgA)などのバイオマーカーを用いて,トレーニング,試合,暑熱などのさまざまなストレスに対する粘膜免疫や唾液分泌の変化について検討しています.これまで主にヒトを対象として,高強度トレーニングや試合期における粘膜免疫応答の変動を検討するとともに,大会期間中や海外遠征中など,実際のスポーツ現場におけるコンディションの変化について研究してきました.また,アスリートにおける粘膜免疫の変動と上気道感染症リスクとの関連についても検討してきました.近年では,暑熱環境下での運動や水分補給などの環境・行動要因に着目し,これらが唾液分泌や粘膜免疫指標に及ぼす影響を明らかにすることで,環境ストレス下における生体応答とコンディション変動のメカニズムの解明を目指しています.これらの研究を通じて,スポーツ現場におけるコンディショニングの科学的理解を深め,アスリートのパフォーマンス維持・向上および健康管理に貢献することを目指しています.

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​滅菌綿を噛むことで採取した唾液を用いてELISA法により分析​

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